国立情報学研究所（以下、NII）では、産業応用の可能性を秘めた情報学の研究最前線をご紹介するため、研究シーズ集『NII SEEDs』を2014年度から毎年発行しています。本年度も、新たな研究の展開や成果を発信することで、各界の皆様と NII とのイノベーションをめざした連携の契機となることを願い、『NIISEEDs 2022 ～情報学によるイノベーション創出と未来価値創成』を発行いたします。
近年、社会的課題の解決につながる日本発のイノベーション創出の重要性が叫ばれ、大学や学術機関においても社会貢献や産業化につながる研究開発活動が強く期待されています。さらに、「Society 5.0」がめざす超スマート社会の実現や新型コロナ禍を契機とした「ニューノーマル」への転換に向けて、情報学には大きな期待が寄せられています。NII では、長期的視点に立った基礎研究ばかりでなく、社会的課題の解決をめざした実践的な研究や学術機関・研究者向けの情報基盤技術の開発も行っており、新たなイノベーションのシーズとなる多
くの成果を生み出していると自負しています。これらを活かすべく、産業界や官公庁の皆様との連携を強化し、研究成果を社会実装や産業応用に結び付ける機会を設けることで、イノベーションをめざした活動の活性化など、 研究成果の社会への還元に積極的に取り組んでいます。
『NII SEEDs』では、情報学のさまざまな分野で最先端の研究を行っているNII の研究者をピックアップして、その活動や研究成果をわかりやすく紹介しており、産業の高度化やよりよい社会の実現に向けて NII の研究成果や情報技術、情報学の知見が持つ可能性をご理解いただくための一助となることをめざしています。
各界のより多くの皆様に『NII SEEDs』をご一読いただき、NII の研究活動に興味をお持ちいただいて、共同研究や技術相談などを通じたパートナーシップを作り出すためにお役立ていただければ幸いです。これらのパートナーシップを通じて、皆様とともにイノベーションの創出や社会的課題の解決に貢献できることを願っております。
国立情報学研究所 副所長
米田 友洋
